工作機械を家に導入した動機のひとつにコマ撮りアニメの人形の関節を作るということがあった。いざ工作機械を導入するとなると、安い物ではないため吟味することになり、結果的に、大きな加工対象を精密に加工できる機械を選んだ。このため、人形の関節以外のものも作れるようになった。
せっかくコマ撮りアニメを作るならば、完成度が高いものを作りたい。そして、人形の関節を製作するにとどまらない機械が手に入った今、モーションコントロールカメラを作ろうと思い立った。これは2016年3月頃だったと思う。中古で買ってきたミリングマシンの調整にめどが立った頃だ。
一眼レフカメラを搭載できるタイプで、かつ、小型のモーションコントロール機器はKesslerとDitoGearという会社のものがあることが分かった。カメラのパン、ティルト、スライド、ピントリング、ズームリングの5軸をコントロールできるモデルはどちらの会社のものも高価で、Kesslerは100万円、DitoGearは60万円以上だった。
何かを作るのに上流工程にさかのぼりたくなるのは自分でも気がついていて、友達には「遠回りするね。」などと言われるが、やりたいのだからしょうがない。自分で作れば60万円はかからないだろうし、既製品より手になじむ道具が作れるかもしれない。こうしてモーションコントロールカメラを作ることになった。